食べ物の色って本当に大事ですよね!
色褪せていると、なんとなく美味しくなさそうに見えたり、逆に鮮やかな色をしていると美味しそうに見えたり!
なんか美味しさと色って関係が深そうですよね。
ほとんどの加工食品で、使用されている着色料ってどんなものなのだろう?と疑問に思っている方も多いのではないでしょうか?
こんにちは。
過去に着色料の研究開発をしていたヒゴです。
この記事では以下の着色料について、過去に着色料の研究開発をしていた私の目線で解説したいと思います。
・コチニール色素
・カラメル色素
合成着色料(タール色素)
合成着色料(タール色素)の特徴は以下です。
色調:明るく鮮明な発色が特徴です。
製造方法:石油を原料に化学合成して製造されます。
使用される食品:かき氷シロップ、紅生姜、駄菓子など幅広い食品に使用されます。
石油由来の合成着色料は、鮮明な発色が特徴です。
また天然着色料が光や熱で退色してしまうのに対し、合成着色料は光や熱に安定で、使用した場合の色の変化を少なくすることが可能です。
そのため、ありとあらゆる食品に使用されています。
皆さんがイメージしやすい例えでいえば、屋台などで売られているかき氷のシロップや駄菓子です。最近では、インスタ映えを狙ったカラフルな飲料やチョコレートなどでよく使用されています。
更に合成着色料は口紅やチークといった化粧品にも使用されることがあります。
参考までに下記に日本で使用可能な合成着色料20品目を参考として列挙しておきます。
・赤色3号(エリスロシン)
・赤色40号(アルラレッド)
・赤色102号(ニューコクシン)
・赤色104号(フロキシン)
・赤色105号(ローズベンガル)
・赤色106号(アシッドレッド)
・黄色4号(タートラジン)
・黄色5号(サンセットイエロー)
・緑色3号(ファーストグリーン)
・青色1号(ブリリアントブルー)
・青色2号(インジゴカルミン)
・赤色2号アルミニウムレーキ
・赤色3号アルミニウムレーキ
・赤色40号アルミニウムレーキ
・黄色4号アルミニウムレーキ
・黄色5号アルミニウムレーキ
・緑色3号アルミニウムレーキ
・青色1号アルミニウムレーキ
・青色2号アルミニウムレーキ
コチニール色素
コチニール色素の特徴は以下です。
色調:オレンジ~赤色
製造方法:カイガラムシ(エンジムシ)を乾燥させたものから温水で抽出されます。
使用される食品:カニカマ、かまぼこ、ハムなどの加工品
コチニール色素は、光や熱に対する安定性が高いことが特徴で、魚や畜肉加工品の着色によく利用されます。色調としてもオレンジ~赤色の綺麗な発色が特徴です。
みなさんがイメージしやすい例でいえば、ハムやソーセージといった畜肉加工品や大塚食品の「ファイブミニ(※)」という飲料に使用されていました。
※現在は「コチニール色素」ではなく「トマト色素」が使用されています。
原材料となるカイガラムシの写真は、苦手な方もいると思いますので割愛しますが、ダンゴムシを赤くしたようなイメージです。興味のある方はリンクから飛んでください。
カラメル色素
カラメル色素の特徴は以下です。
色調:茶色~黒色
製造方法:カラメルⅠ~Ⅳの種類により異なります。
・カラメルⅠ:糖類を加熱(酸もしくはアルカリを添加してもOK)
・カラメルⅡ:糖類に亜硫酸塩を加え加熱(酸もしくはアルカリを添加してもOK):日本では使用禁止
・カラメルⅢ:糖類にアンモニア化合物を加え加熱(酸もしくはアルカリを添加してもOK)
・カラメルⅣ:糖類に亜硫酸化合物とアンモニア化合物を加え加熱(酸もしくはアルカリを添加してもOK)
使用される食品:コカ・コーラ、ビール、ドレッシング、大豆ミートなど
カラメル色素は熱や光に安定で特有の焦げたような香ばしい風味を持ちます。使用されている食品のうち最も有名なのが「コカ・コーラ」で、安価なことから様々な加工食品に使用されています。
カラメル色素は製造方法により4つに分類され、Ⅰ型は糖類を単に加熱したもの、Ⅱ~Ⅳ型は糖類に亜硫酸塩やアンモニア化合物を加え加熱したものです。
ただしⅡ型の亜硫酸塩を使用した製造方法は日本では禁止されているので、実質日本で使用されているのは3種類(Ⅰ、Ⅲ、Ⅳ型)となります。
まとめ
この記事では、合成着色料(タール色素)、コチニール色素、カラメル色素について紹介しました。
皆さんの色素に関する知識が深まれば幸いです。
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