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【元調香師の実体験】フレーバーリスト誰もが感じる仕事の難しさと大変さ5選とその解決方法

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香りの創造する調香師(以下、フレーバーリスト)という仕事は、誰もが華やかでクリエイティブな職業だと思うかもしれません。

「香りに興味がある」という好奇心からフレーバーリストになった(もしくは今後めざす)方も多いのではないでしょうか?

しかし、単に「香りに興味がある」という軽いきっかけでフレーバーリストになってしまうと思わぬ壁にぶつかる可能性があります。

 

こんにちは。

食品業界の開発職としての経験は10年以上、現役開発職の、ヒゴです。

 

この記事では、私の過去の経験からフレーバーリスト誰もが感じている仕事の難しさや大変さについて解説します。



 

フレーバーリストの仕事の難しさ/大変さ 5選

原材料の香りをおぼえるのが難しい

皆さんは、フレーバーリストが使用する原材料は何種類ほどあるか知っていますか?

会社によっても異なりますが、3,000種類ほどの香りの原材料があると考えてよいでしょう。

日本の常用漢字ですら2,000字ほどですので、「3,000種類」という数字が非常に大きいというのが分かると思います。

3,000種類も香りの原材料があるの?形のあるものなら覚えることができるかもしれないけど、香りには形がないから難易度はかなり高いね。

更に、原材料によっては、ほぼ同じ香りで微妙な違いしかないものも多く存在します。

では効率的にどのように香りを覚えていけばいいのでしょうか?

 

<ヒゴの体験談>
最初、私は毎朝、約10種の原材料を評価し、香りから連想されるイメージや化学式をノートにまとめてました。しかし私にとってこの方法は、香りを覚えては忘れの繰り返しで全く身につきませんでした。理由としては、実際に原材料を使用しているシーンがイメージできなかったからだと思います。そこで、原材料と完成した香料の香りをセットで覚えることにしました。例えば「酪酸エチル(エチルブチレート)」は果物によく含まれる香りですので、いちご、バナナ、パイナップルといった完成品の香料から、酪酸エチルの香りを探し、香料中のどの部分に影響を与えるのかを考えていました。また完成品の香料に少量、「酪酸エチル」を足し、印象がどのように変わるか検討することで、実際に使用する時の添加量の目安についても調査していました。

 

このように少し遊び要素を入れて、自分で体感しながら香りを覚えることが重要だと私は思います。

 

細かい作業に慣れるまでが大変

調香の際、原材料を計量する作業を多いときは100回程繰り返さなければなりません。また原材料によっては「0.001g」のように極微量を量り取る必要が出てきます。

細かい作業が苦手な人にとっては、苦痛な作業であることは間違いないです。

 

調香作業で液体の原材料を計量する際、「つまようじ」を利用しますが、この扱いに慣れるのに1ヶ月ほどは要するでしょう。

最初は難しいかもしれませんが少しずつ慣れてきますので、忍耐強く作業を続ける精神が必要です。

 

体調や食生活の管理が大変

鼻がきかなくなったら、フレーバーリストの仕事は務まりません。

そのため、日頃から体調や食事について自分で管理する必要があります。

<私がやっていた体調管理方法と食生活の注意点>
喉の乾燥を防ぐ ⇒ マスク着用、加湿器の使用
食べ物 ⇒ 納豆、にんにくのような臭いの強いものは避ける
飲酒 ⇒ 基本的に週末のみで、飲むとしても二日酔いにならない程度
就寝 ⇒ 12時までに就寝し、十分な睡眠時間を確保

調香が上手い人は「毎日、鼻を最良の状態に保つ」ため、上記を徹底していました。

すべてを完璧に実行する必要はありませんが、仕事をしていく上では重要なことです。身体の状態を確認しながら、実践してみてはいかがでしょうか?

フレーバーリストの体調管理って思ったより大変なんだね。

食べ物も気をつけないといけないし、飲み会が多い時期には苦労しそうだわ。

 

髪や身体に不快な香りがつきストレスを感じる

フレーバーリストは、ありとあらゆる香り成分を扱います。

華やかなフルーツのような香りもあれば、靴下が発酵したような不快に感じる香りを使用することもあります。

 

原材料として使用する香り成分の原液は希釈されていないため、強烈な香りを持っています。

強烈な香りは知らない間に髪の毛や洋服に付着し、更に鼻の香りに対する感度も鈍るため、自分自身が不快な臭いをまとっていることに気づくのは難しいです。

 

強い香りが付いているにも関わらず、外に出てしまうと、電車の中で避けられたり、「変な臭いがする」と指をさされることもあります。

無視できればいいのですが、精神的に傷つくこともあります。

「仕事だから仕方ない」と心の中でつぶやき、周りからの苦情を無視できるような精神が必要です。

 

調香が上達しない自分に失望

フレーバーリストとして数年はうまく調香できないため、ひたすらに経験を積んでいく期間です。

しかしそれが3-5年と年月が経っていくと、状況が変わってきます。

 

別の部署の同期は、仕事をある程度覚え後輩を引き連れて営業を回っている一方で、自分の調香技術は一向に上達しないと不安に潰されそうになってしまいます。

 

自分はセンスが悪いのだろうか?

このまま仕事を続けていいのだろうか?

後輩の方が調香のセンスありそうだな。。。

 

フレーバーリストとして業務をしていると、必ず将来の自分に対して迷う時期が来ます。

知らないうちに同期や周りと比較してしまい、自信をなくしていくことも少なくありません。

 

<ヒゴの体験談>
私自身も自信を無くした経験があります。私は入社3年目に香料開発の部署へ異動しました。部署には、入社1年目から香料の開発を経験している同期が複数人いて、開発に関する様々な知識を持っていました。私は異動したての為、香料に関する知識がゼロだったので、同期に追いつくべく、ひたすら香りを覚えたり、調合したり、やれることはやれるだけしていました。しかし、一向に技術は身に付かず、ただ時間だけが過ぎていきました。せっかく異動できたのに、自分のセンスの無さにうんざりし、このまま部署で続けていけるのだろうか?と自問自答する日々が続きました。そんな中で先輩から言われた言葉が忘れられません。「フレーバーリストは、永遠に勉強の日々だから、コツコツと継続して積み重ねていくことが大事だよ!」「10年以上仕事をしてるけど、未だに自分センスないなって思うことも多いし。」私が悩んでいた「自分のセンスの無さ」というのは、同じように経験を積んだ先輩にもあるんだと知った瞬間でした。それは同時に、心がホッとした瞬間でもありました。フレーバーリストとして一人前になるには、長く険しい道のりを越えていく必要があります。

つまり一朝一夕で身につく技術ではないということです。

周りが気になるかもしれませんが「コツコツと地道に技術を磨いていく」ことが、フレーバーリストとして生きていく道だと私は思います。

 

フレーバーリストの仕事が辛い。。でも転職先ってあるの?

「フレーバーリストの仕事が自分に向いていない気がする。。。」

「まだ半人前のフレーバーリストの状態で転職ってできるのだろうか?」

「もうちょっと技術をつけてから転職した方がいいのかな?」

 

フレーバーリストとして一人前になる前の状態では、自分に自信が持てず、転職に前向きになれない気持ちも分かります。しかしあなたが思った以上に、香料に関する知識を持った人材の需要は高いと私は考えています。

なぜなら、ほぼ全ての食品メーカーで「香料」を使用する為です。

コンビニに置いてある商品の原材料欄を確認すると、そこには必ず「香料」という表示があるはずです。

 

つまり食品メーカーの商品開発職からすれば、少しでも香料の知識がある人材がいれば、より美味しい味作りができるのでは?と考えるのが自然です。

「でもまだ一人前じゃないのに、、、」と思うかもしませんが、香料の基本的な知識はついてるはずです。

 

断言します。

業務を行う中で、何度も香りを評価してきた経験は、必ず食品の商品開発をする際に役に立ちます!

 

フレーバーリストとして仕事を続けることが難しいと感じた場合、「食品メーカーの商品開発職」への転職を検討するのも一つの方法です。

 

まとめ

まずこの記事では、フレーバーリストの業務上つらいこと5選を解説しました。

フレーバーリストは、何年経っても勉強の日々です。一朝一夕で身につけられる技術ではないことをしっかり理解しましょう。

他部署の同期と比較して、自信を失ってしまうこともあるかもしれませんが、コツコツと技術を積み上げていくことが重要です。

次にフレーバーリストの転職事情について、解説しました。

香料は多くの食品に利用されているため、食品メーカーの商品開発職からすれば香料の知識がある人は喉から手が出るほどほしい人材です。

どうしても転職したい方は、「食品メーカーの商品開発職」を目指すことをおすすめします。

 

以上、この記事がフレーバーリストの方にとって有用であれば幸いです。

 

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